プーブロ

日々の出来事から考えたことや、ふと思いついたこと、主に、そうした頭の中の出来事が吐露されることと思います。アウトプットの場ですね。

フィクションですが。

エーオは、学生時代のの親友ビーオに、久しぶりに連絡してみようと思ったのだ。

ずっと不調だった体調も回復し、仕事も調子が乗ってきた。

何より最近、彼女ができたものだから、気分が良いのである。

ずっと会っていないビーオに連絡して、飲んで語り合いたいと思ったのだ。

学生時代ビーオとは、よく二人で騒いだりして遊んだものである。

だけど、卒業して、互いに別の道へ進んでからは、正月に年賀状が届く程度の付き合いになってしまった。

ふいの思いつきではあるが、ビーオも喜ぶに違いないと思ったのだ。

 

ところが、メールアドレスは変更されていて、電話番号も変わっていた。

仕方なく、実家に電話してみた。

親が出て、取り次いでくれはしたんだけど・・・

「あぁ、久し振りー。」

そう言う声も、テンション低く、久々の連絡も喜ぶ様子ではない。

「何かあったのか?」

聞いてはみるが、別に、と言うばかり。

そんなだから、飲みに誘うことも出来ず、また連絡するからと言って携帯番号を聞いて電話を切った。

 

エーオは、なんだあいつ、と思った。

久々に連絡してやったのに、ちょっとは喜べよという気持ちだったのだ。

結局それからビーオに連絡することは出来なかった。

 

それから二年。

彼女に振られ、仕事はリストラされ、見通し真っ暗のどん底にエーオはいた。

そんなとき、電話が鳴った。

ビーオだった。

「やあ、元気?前に連絡くれたっしょ、あれから全然連絡くれなかったから、どうしてるかなーと思ってさ。」

二年前とはおおよそ違った、明るい調子だった。

「ああ、まぁね、どうしたの?」

エーオは曖昧な返事をした。

明るい会話なんてしたくなかった。

はっきり言って、電話を切ってしまいたいと思った。

だけれども、ビーオは続けた。

「実は脱サラして始めた仕事がようやく軌道に乗り出してさ、思いきって彼女に告白して結婚することが決まったのさ。エーオにも紹介しておこうと思ってさ。」

 

その時、エーオは気付いたのだ。

人は、自分がふさいでいる時は決して自分から他者に連絡しない。

会わせる顔が無いのだ。

そして、自分の調子が上向きの時、他者の気持ち等考えずに、自分の調子のみで他者に関わろうとする。

二年前に自分がしたことが、今自分に返ってきているんだ、と思った。

ここは、どうしても祝いの言葉を述べなけらばならない場面なのだが、どうしても述べてやるものかと反発する自分がいるのだ。

器が小さい自分を、思い知るのである。

 

エーオの沈黙に、ビーオがささやいた。

「エーオ、今のは全部ウソだよ。僕も君と同じ、無職の一人者さ。」

電話は切れた。

 

ツー・・・ツー・・・ツー・・・