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プーブロ

日々の出来事から考えたことや、ふと思いついたこと、主に、そうした頭の中の出来事が吐露されることと思います。アウトプットの場ですね。

消火器のススメ

先日、実家での出来事です。

思い出したくはないのだけれど忘れてはならない、

戒めとして記録せねばならない出来事が起こりました。

人は、人生の中でいかほどの体験経験をするのか。

それは、どのように生きるのかに左右されるのかもしれないが

自己の努力のみではどうしようもならない事もあり

だがしかし、その出来事をいかに理解するかによって

今後の出来事に影響を及ぼす。

そして災難は、忘れたい記憶であったとしても

それを検証して再発防止の策を講じる手段を具体的に模索する必要がある。

故に、記憶が変化してはいけない。

故に、正しく記憶するために正しく記録することが求められる。

そして、何かのせいにするのではなく

それぞれの立場に可能な行動を即行うことが鍵となる。

 

さて、先日我が家の台所では、私と父と祖母でのいつもの夕食をとろうとしていた。

久々の鍋で、カセットコンロをテーブルに置いて土鍋に火をかけていた。

父は、鍋やったら久々に酒が飲めるなぁと喜んでグラスに正月の祝い酒を注いだ。

祖母も自分の席に着き、鍋を待っていた。

私は鍋の準備が終わったので他の、片付けや皿の準備なんかをやろうとしていた。

ふいに父が「これ、わざと火を弱くしてるんか?」と言った。

「いや、まだ煮えてないから弱くはしてへんで。」私は答えた。

「じゃあもう無いねんな。」そう言って父はガスを消し、手際良くカセットボンベを交換した。

カセットコンロはだいたいどれも同じような作りだと思うが・・・

我が家のカセットコンロはボンベ2本使用の火力の強いタイプで

仕組みは1本使用タイプ同様ボンベをはめてフタをする。

レバーを下に下げてセットするとシューッとガスが送られる音がする。

一般的に、このシューッという音を皆聞いているだろうか?

私はどうも人並み以上に危険に対しては敏感で

特に火に関することにはとりわけシビアである。

とにかく怖い。

怖いから、普段から常に気にしている。

カセットコンロに関しても、毎回慎重に火を点ける。

父は、これまた人並みがどれほどのものかは存じないが

私に言わせれば無頓着きわまりなく

いつもセットのレバーを下げてすぐに火を点ける。

私はこれが非常に嫌で、毎回注意する。

今回もボンベ交換する父をしっかりと監視していた。

レバーを下げるタイミングを見て「シューッと言うの待ってや。」と言った。

父は一旦待った。

シュー・・・

「今、ボンベさんが一生懸命ガスを送り込んでるからね、ちょっと待ってや。」と私。

シューーーーーー

何故か、いつもすぐ消えるシューッの音が消えない。

父はふいに「もうええやろ。」そう言って火を点けた。

その瞬間!!!!

ボウッ!!!!!

ガスボンベの蓋が開いてボンベの周囲に引火した!!!!!

父は慌ててひねったスイッチを戻したが引火した火はそのまま燃えている。

私は咄嗟に窓際に置いてある簡易消化スプレーを手に持ち火に向かってスプレーした。

・・・が、スプレーは噴射されず、ヒュルルと少しの水滴が落ちるのみ。

見ると祖母は座ったまま、じっとしている。

「ばーばら逃げて!!早く!!」私が叫ぶも祖母はその一大事を把握できていないのか

「ちょっと待ってぇ、今立つから。」少々怒った口調でのんびり言うのである。

私の言葉を聞いて父が祖母を誘導するように手添えした。

「ボンベが爆発するから早く逃げて!!」私は祖母の後ろから脇の下に両手を入れ、少し抱える感じで押し、父に向って「消化器!!」と叫んだ。

父は祖母から離れ、隣の部屋へ走った。

祖母は押されて不安定になったため「ちょっと待ってって!」と更に不快感を表した。

台所から出たところで父が手に消火器を持っていた。

そして・・・「消化器!!」と言って私に渡した。

私はすかさず、ピンを抜いてノズルを抜いてカセットコンロに向けた。

レバーを握るとシューーーーーーーーーーーーーーーーーーー

と、白っぽいピンクの粉が勢い良く噴射され、火は一瞬で消えた。

私はレバーを放したが、ピンクの粉は出続けてあたり一面白い粉煙で覆われた。

グラスの酒も表面がピンクになった。

祖母は「もう、おかず除けなあかんやんか。」とつぶやいた。

私の背後で、祖母の両肩を掴む父がいた。

私は祖母に「ボンベが爆発したら死んでたんやで。」と冷静な口調で話した。

恐らくは事の重大さを把握出来ていない祖母に、危機だったということを理解してもらいたかった。

怖がらせたいのではなく、今後危険から極力避難行動が出来るようにするために。

祖母は少し間を置き考えた様子で「そうやったんか。」と言った。

そして「こういうときは男の人がおってくれて良かったな。」と言った。

咄嗟に父が「ちゃうやろ、マキがおってくれたから良かったんやろ。」と言った。

 

私は、我ながらアッパレであった。

何故なら、こうした状況下において恐怖を感じずに冷静に適切な行動をとれたからである。

本当に自分で驚いている。

何故、私が冷静にクリアな頭でいられて、こういう行動がとれたのか。

何故、父はあたふたして祖母に手添えしたり消火器を自分で使えなかったのか。

明確な答えは無いにしても、私なりに考察してみた。

父は、救急救命講習や地域の避難訓練を定期的に経験している。

だが、普段の危機管理は甘い。

つまり、講習や訓練は行事としての参加であって

取組の重要性認識に欠けていたのではないか。

なにせ訓練時に消火器を使ったかどうかも忘れたらしいので。

どうも、私に渡したのは使用方法が分からなかったかららしい。

その後、私が掃除している時も、ボーとしていた。

よっぽど、驚いたらしい。

なにせ自分の不注意が何故起こったのかが不思議らしい。

一方私ですが・・・普段めっぽう火が怖い。

想像するだけで怖い。

怖いから、かなり慎重だし注意深い。

はっきり言って、疲れる。

ですが、実は、しょっちゅう避難シュミレーションしている。

実際の訓練はしませんが、頭の中では何度もしている。

それが功を奏したのかな、と憶測だが。

出火後の対応については、こういう差が出たわけだ。

 

さて次は出荷原因の考察。

父は、自分の行動が不思議でならないらしいが。

注目すべきは私とのやりとり。

これまでから私は何度も「シューッが終わってからカチッと点ける。」ということを何度も注意している。

だが父は、(それは単なるマキの思い込みだ)と思っていたとしたら。

父は普段、セットして即カチッと回す。

これまで生きてきた中で幾度と繰り返された行動においてトラブルはゼロである。

つまり、シューッなんて聞いたことが無いのである。

私に対して、(こんなの平気だ)ということを示したい気持ちもあったのではないか。

冷静に考えたらガス漏れかもしれない現象も、

失敗経験が無いことと自己過信からとんでもない事態が発生したと考察する。

 

今回の件で、大惨事にならなかったからではあるが、

こういう体験を父と祖母にしてもらって良かったと思っている。

危機管理意識の向上と、消化器設置普及に繋がることを期待する。