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プーブロ

日々の出来事から考えたことや、ふと思いついたこと、主に、そうした頭の中の出来事が吐露されることと思います。アウトプットの場ですね。

祖父の在宅介護記録② 10月9日(木)

寝坊した私は7時に目を覚ます。

幸い呼吸器のアラームは鳴っていないようだが、4時間も祖父をほったらかしにしていたことになる。

痰は沢山とれた。

苦しい若しくは気持ち悪い思いをさせたのかもしれないが、とりあえず4時間、大丈夫なんだって思った。

前日、呼吸器の加湿器に水を入れる手技を練習していなかったこともあり、困難の末なんとか出来た経験をした。

経験から学んだ方法を、今度は確実に自分のものにした。

吸引の手技は、相変わらずぎこちない。

アラームを消し忘れたり、パルスオキシメーターを付け忘れたりするために自己流手順書(課題分析)を作成したかった。

その他、看護師さんが書いてくれた私の仕事内容を見、抜けが無いかチェックする。

主に痰の吸引が仕事である。

病院では1時間から1時間半で行っていたらしいが、私は極力少なくしたいと思っていた。

なにせへたくそがやるわけだから看護師さんより苦痛を与えることは確実だろうと思った。

そのため、回数が増えるのは吸引効果以上に喉を傷つけるとか刺激を与えて痰を増やしてしまうとか、そういうことを避けたかった。

それも、良いか悪いかは別として。

朝9時半過ぎ、訪問ナース2名が来てくれた。

手際良く処置を行うナースに、夜は特に問題無かったと伝えた。

ナースは床ずれを洗い、陰部も洗浄し、踵も足湯みたいに洗面器の湯に浸けて洗った。

ナースが処置されるととても安心する。

いつもいつも、「何かあったらいつでも電話してきてくださいね。」と言ってくれる。

私は極力、なんとか自分でやりたいと思うが、そう思うからこそ何度もそう言ってくれることが有難い。

その後のトピックとしては3点、記録しておきたい。

1点目は人工呼吸器の異変である。

昼頃だった。人工呼吸器が「ピッ」と鳴った。

これまでに聞いたアラームは「ピピピッピピ!」というものだった。

同じトーンではあるが、明らかに諦めたように短い。

しかも表示に変化は無い。

うーむ、これは何なのだろうか。

せかすような音とは異なり、別にそんな急ぎではないけど、ちょっと聞いてくれるんやったら聞いてほしいねんけどーみたいな、弱気なアラームである。

祖父に変化は無い。

苦しそうでもなければ、もちろん楽しそうでもないが。

よし、大丈夫。

そうは思うも、何度か鳴られると気にはなる。

吸引してみたり、カニューレの隙間にガーゼをかましてみたりして、その音は落ち着く。

何だろうーと思いながらも不安は無かった。

また、誰かに聞こうーなんて思って終了。

そして2点目は祖父の要求である。

これまで病院に居て、帰宅願望があった。

帰宅してしまえば次なる要求が出ても不思議ではない。

むしろ、それを出せるためには、本人にとってそれなりの環境が必要である。

つまり少しは苦しみが減少していると解釈してみた。

その要求とは、「宮さんへ連れてってほしい。」というものである。

私が傍にいるにもかかわらず、少し離れた父を手招きし、神棚を指さし、次に自分の体に両手をあてがえ、父の方へその手を移動させた。

「かいてほしいてか?」私が聞くと、大きく頷いた。

大した人だ。なんと、生命力のある人だと感心した。

そして3点目、祖父の吸引拒否行動が現れた。

口を閉ざしてしまって、吸引させてくれないのである。

痛いから?との質問に頷く。

やはり不慣れな手技ゆえに苦痛は大きいのだろう。

その件に関しては、別件でナースから電話があった際に話すと、よくあることだから、明日鼻からのやり方を教えるわね、と言って安心させてくれた。

 

その夜私は祖父の部屋の外、廊下部分にワンコと並んで布団を敷いた。

スマホのアラームを3時間置きにセットし、眠りについた。