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プーブロ

日々の出来事から考えたことや、ふと思いついたこと、主に、そうした頭の中の出来事が吐露されることと思います。アウトプットの場ですね。

祖父の有用感

92才の祖父は、昔は威勢が良かったものの昨今はめっきりふさぎこんでいる。

ある日私は、スーパーで水を買った。

2リットルの重い水を2本買ったその理由は、おまけに付いていた、ペットボトルキャップオープナーつまりはゴム製のキャップ開け。

じーと、ばーと、2人分必要と思ったわけである。

昼食時、ご機嫌な祖母に使い方を説明してみた。

なんてことはない、お弁当のアルミカップ形状のそれをペットボトルの蓋にかぶせ、そのまま回せば良いのである。

ところが、80も半ばを過ぎた祖母にとって初めてのものは簡単であっても小難しい。

回す方向が分からなくなってしまい、普段よりも余計に手間取ってしまった。

そんな折、おもむろに祖父が立ち上がり、ゆっくりと自室に入ったかと思うとしばらくして戻ってきた手には大きなペンチが握られていた。

言葉無くそれを祖母の前に置く。

まぁ何とも微笑ましい姿ではないか。

祖母の手には、既に開いたペットボトル。

「そんなんいらん、開いた開いた。」

耳の遠い祖父にその声が聞こえていないなら良いが。

フォローすべく、そうかこれがあれば開けやすい、さすがやな。

耳の遠い祖父にこちらの声は聞こえてほしい。

相変わらず無言のまま食卓に戻る祖父。

ちょっとした有用感を感じたのであろうか。